2009年06月18日

蜘蛛の巣

もう、20年以上も前になる。浅丘ルリ子さん主演で蜷川幸雄さん演出の『にごり江』が私の初舞台だった。寒い1月の日生劇場での公演で、日比谷公園が雪で覆われ、雲の上にいるかのようだった楽屋からの景色をよく記憶している。
劇場は黴臭く、照明に照らされた舞台から見渡すと、お客さんのシルエットの蠢く客席は夜の港のようであった。

劇場で成人の日を迎えた私にハンカチをプレゼント下さったのは、浅丘ルリ子さんである。以来、浅丘ルリ子さんは特別な女優さんだ。

アガサ・クリスティーの推理劇を舞台化した『蜘蛛の巣』の鹿児島公演が行われたのは昨夜のこと。
http://www.tohostage.com/kumonosu.html
鹿児島の演劇ファン、そして主演の浅丘ルリ子さんのファンが宝山ホール(鹿児島県文化センター)に集まった。

セットはイギリス風の豪華な館の一室を模している。重厚な書棚やきらびやかなシャンデリアが観客を現実の世界から引きはがす。
アガサ・クリスティーらしい、軽妙なやり取りで殺人事件は解きほぐされてゆく。
聴覚を刺激する劇中曲や、視覚的効果を狙った演出は少ない。それでも、約2時間の物語を飽きさせないのは、テレビでお馴染みの俳優たちの確かな演技の賜である。

結局、犯人は・・・
まだ、大阪と金沢の公演が残っているので、顛末を詳らかにするわけにはいかない。

小難しい顔をせずともいただける美味しいビストロのフランス料理のように、楽しく満腹になる秀作に満足げな客に紛れ会場を後にした。
演劇の余韻を味わったのはビストロならぬ、いつもの居酒屋である。焼酎のお湯割りが喉に染みる。


posted by テイト at 10:13| Comment(0) | カテゴリ無し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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