2009年12月10日

大根卸

久し振りのプロデュースの仕事に、事務処理などの実際的なこと以外が、思考の船頭となることはなかった。
だから、蜘蛛の巣を伝う朝露、空高く聞こえるはずのとんびの啼き声、そして日没にさえ気付かずにいた。

ところが、今日、昼食に出かけようとして、雨の匂いが鼻腔を占拠し、情緒が五感を支配した。
陰影を濃くした庭では椿が赤々と炎のようで、学生のアパートでは、雨垂れが乗り捨てられた自転車のサドルを打っている。師走の雨に窓が閉められているから、いつもの赤ん坊の泣き声も聞こえない。
定食屋の焼き魚の大根卸が白い。

昼食が済むと、書類の整理や精算などに戻り、俳優の感性は再び眠ってしまった。


posted by テイト at 23:27| Comment(4) | カテゴリ無し | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
名調子健在ですね
この文章の心地よさ・・
何か懐かしいような美の世界を感じます
・・ところで、愚問ですが、大根おろしは卸が正しいのですか?
今まで何も思いませんでしたが、字を見ていて改めて素朴な疑問を感じました;
Posted by マロニエのこみち・・・。 at 2009年12月17日 00:19
マロニエのこみち・・・。さん

大根卸なんです。
検索しましたが、大根卸はあまりありませんね。
『おろしがね』で検索すると、『卸し金』が多数表示されます。
Posted by テイト at 2009年12月18日 23:26
こんにちは
なるほど・・
『卸し金』も初見でした
勉強になりました
ありがとうございます^^
Posted by マロニエのこみち・・・。 at 2009年12月19日 13:14
マロニエのこみち・・・。さん

魚の三枚卸も『卸』を使えます。

その金属加工品として技術を要する卸し金も、今じゃ100円ショップでプラスティックのものを買える時代ですね。
Posted by テイト at 2009年12月20日 09:37
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